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アッバース君のお父さん、お母さんからメッセージ届く(3月15日)


 アサード医師を通じて、アッバース君の母アヌワルさんと父アリさんの声が伝えられました。


 日本の皆さん、アッバースの治療を応援していただいた皆さん。

 アッバースは亡くなりましたが、たいへん幸せな子どもでした。日本で治療していただいたおかげで、イラクに帰ってからはたいへん健康で、亡くなる直前まで全く苦しむことなく、突然静かに息を引き取ることができたからです。

 イラクにもどってからのアッバースは、とても元気で、体も大きくなり体重も増えていました。もとのきれいな色の髪が伸びて、目は輝いていました。少し大人びた感じで、私たちおとなと一緒にイスラムのお祈りもできるようになってきていました。

 私たちは、アッバースを守るために細心の注意を払っていたのですが、残念ながら、死という悲しい結果を避けることはできませんでした。人間の死の問題である以上、私たちの意思やどんな医学の手も及ばないことだったのかもしれません。

 イスラムのすべての子どもたちがそうであるように、アッバースも鳥のようにとびたって天国で安らかに過ごしている、と私たちは考えています。私たちは、今もアッバースを想い続けて、そして、アッバースの純粋な魂を感じています。

 本当にありがとうございました。

アッバースの母:アヌワル

父:アリ

アッバース君が急死(2月12日)

 

 悲しいお知らせです。

 2月6日、アッバース君が急死しました。

 イラクに帰国してからずっと体調がよく、2月5日も元気で兄弟たちと遊んでいたそうですが、夜中に急に発熱し、翌朝病院に行ったときにはすでに手遅れだったそうです。死因については、白血病に起因するものか、それとも他の病気によるものかはっきりしないとのことでした。
 広く全国の皆さんにご支援いただいて、「イラクニカエル。サヨナラ。」と元気に手を振って帰国したアッバース君。バスラでも他の白血病の子どもたちや医師たちの希望のシンポルだったというアッバース君。日本の多くの人々に平和の大切さを身をもって示してくれたアッバース君。

 深い悲しみの中で、彼の冥福を祈ります。そして、彼が私たち日本人に残してくれたものを、追い続けます。

2005.2.12

2005年2月19日

ご支援いただいた皆様へ

セイブ・イラクチルドレン・名古屋

代 表  小野 万里子

(TEL 852-1336、 FAX 858-3851)

 

白血病のアッバース君の急死にあたって

 

1.すでに新聞等で報道されておりますように、2月6日、白血病のイラク人少年アッバース君(6歳)がイラクで急死しました。

 劣化ウラン弾を浴びた兵士を父に持ち、高度放射能汚染地域であるバスラで生まれ育った、典型的なウラン弾禍の子どもでしたので、私どもも何とか救命したいと取り組んできましたが、残念な結果になりました。

 

2.現地主治医のフサーム医師によると、死亡時の状況は以下のとおりです。

・アッバースは帰国以来ずっと元気にしていた、

・死の前日の2月5日も、日中はいつものように兄弟たちと元気よく遊んでいた、

・その夜高熱を出し、未明にはけいれんも始まったため、病院に搬送された、しかし、来院時にすでに意識はなく、呼吸にもノイズが発生していて手の打ちようがなく、午前10時にそのまま息を引き取った。

・死因は、感染性の髄膜炎を疑うが、あまりに短時間の容態急変で、断定できない。

 

3.日本全国からのご支援で、小児白血病の分野では世界のトップクラスとされる名古屋大学病院で治療でき、経過良好で帰国した彼をも、結局救命することはできませんでした。

 バスラでは、発病後アッバース君のように長く(と言っても、わずか1年9ヶ月間ですが)生きられている子どもはほとんど皆無で、「まだ生きている」と、激増する白血病の子どもたちの希望のシンボルでもあったそうです。そのようなことも併せ考えると、無念で無念で、言葉が出ません。

 

4.アッバース君は、「イラクジン ダカラ イラクニ カエルヨ バイバイ」と日本語で言って帰国しました。そう、彼はイラクの子だから、ほかのイラクの子たちと同じように死んでいったということでしょう。

 彼の後ろには、何千人もの死にゆく「アッバースたち」が列をなしています。私たちは、これからも「アッバースたち」を助けるために支援活動を続けていきます。

 どうか、皆様も、折にふれ、彼のあの大きな目を、ツルツルのあの頭を、思い出してあげて下さい。そのことが戦争も劣化ウラン兵器もない平和な世界を作っていくための礎になると、私どもは信じています。

 アッバース君をはじめイラクの子どもたちへのこれまでのご支援、まことにありがとうございました。そして、今後とも引き続いてのご支援をよろしくお願いいたします。お知り合いの方々にもメールやFAX等で本文をお知らせいただければ幸いです。

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