§ 劣化ウランはなぜ使われたか −アメリカの責任−

 まず,劣化ウランとウランについて少しお話ししたいと思います。

 ウランは“不名誉な金属”と言われています。

 特徴としては,とても堅い(鉄の2.5倍の堅さ)こと,そして比重は19です。

 このウランを濃縮して,原子炉の燃料として使うのです。原子炉で排出される廃棄物が劣化ウランです。

 

 高温あるいは高湿度になった場合に着火するのが劣化ウランの特徴です。

 劣化ウランは,ガンマ線,アルファ線,ベータ線という3種類の放射線を放出します。3つの放射線の中で,最も重要なのがアルファ線です。

 劣化ウランの半減期は40億年を超えています。劣化ウランが放射線の放出を完全に止めるのは, 250億年先,という計算になります。


 アメリカでは,原子力発電の結果,廃棄物である劣化ウランがたまっており,約100億トンの劣化ウランを抱えています。劣化ウランという不名誉な金属を早く何とかしたい,とアメリカは考えているのです。

 アメリカでは,たまった劣化ウランをなんとかしなくてはいけない,ということで様々な研究が行われてきました。囚人,知的障害者を使って,アメリカの自国民を使って,実験を行ってきました。ある場合には,劣化ウランの粒子を一定の場所にばらまいた,とさえ言われています。

 劣化ウランが,どのような放射性を持ちうるか,どのような発ガン性を持ちうるか,どのような催奇性を持ちうるか,どのような毒性を持ちうるか,についてアメリカは既に熟知しているのです。劣化ウランが このような悪影響を持ちうることは論を待ちません。

 その結果,劣化ウランが大量破壊兵器として用いられるようになったのです。


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