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このたびは栄えある受賞者として表彰いただきありがとうございます。本当に励みになることで、地方の小さな活動に光を当てて下さったことに心からの感謝を申し上げます。
私どもは2003年のイラク戦争直前にイラクのがんセンターの医師からの依頼を受けたことを契機に医療支援活動を開始し、現在はイラク人医師の愛知県内の病院での医療研修を全面サポートすることを中心に活動しています。この21年間で約60名の医師らに医療研修を実施してきました。彼らは、日本で習得した医療技術や知識をイラクの病院・大学に伝えるだけでなく、帰国後も日本の医療機関とインターネットでつながり、症例の診断や対処方法についてもアドバイスを得て患者さんの命を救っています。愛知県内の医療者もこのような形でイラクの医療を支えることに惜しみない努力を払って下さっています。
イラク戦争後も内戦や宗教過激派支配などで塗炭の苦しみを味わい続けた医師たちが異口同音に「希望を失わない限り、イラクは死なない。」と言って、安全な日本から命の保証のないイラクの医療現場に戻る姿を20年間見てきて、支える側の私たちも人間の尊厳を信じることができ勇気をもらってきました。このようなすばらしいイラク人医療者の姿もぜひお伝えしたいと思います。
それにつけても思いますのは、一度破壊されたものを復興させることの困難さです。イラクでは戦争と経済制裁で社会の基本システム自体が破壊されました。中東随一の高レベルを誇った医療現場も例外ではなく、そのために多くの命が失われました。それだけでなく、その間教育を受けられなかった世代が未来の大きな足かせになって国の復興にのしかかってきています。物理的な破壊だけではないのです。このことは現在のウクライナやパレスチナの惨状からも容易に想像できると思います。
イラクの破壊と、それに立ち向かう尊厳あるイラク人らを直に見てきた私たちは、あまねく世界の平和を心から願い、それを日本の皆様に訴えたいと思います。それが栄えある「社会貢献」賞をいただいた私たちの義務でもあると思うからです。
このたびは本当にありがとうございました。
NPO法人セイブ・イラクチルドレン・名古屋
理事長 小野万里子
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